PROFILE
転職で地元の神戸に戻ったことがきっかけとなり、プロボノを始めた邉見さん。チームで取り組むプロジェクトを複数経験した後、3件のGRANT案件に参加しました。これまでの参加経緯やプロジェクトの詳細についてお話を伺いました。
※邉見さんのGRANT参加実績はこちらからご覧いただけます。
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転職を機に神戸に戻りプロボノを始めました
通信インフラ系の企業で通信機器の研究開発に携わっています。15名前後のメンバーの中で、主にプロジェクトのマネジメントを担当しています。もともとIT・通信系の企業に勤務していて、7年ほど前に現職に転職しました。当時は関東で働いていましたが、関西に戻りたいという思いがあり、現在は関西に戻って同じ分野の企業に勤めています。
プロボノとの出会いは、転職のタイミング(2018年)でした。有給消化で時間に余裕ができ、これまでの経験を生かして何か取り組んでみたいと考えたのがきっかけです。できれば自分の成長につながることをしたい、職場以外の人間関係を模索したい、そして地元の神戸で何かしたいという思いから調べたところ、プロボノに出会いました。
最初に参加したのは、兵庫県神戸市の「神戸ソーシャルブリッジ」でのチーム型のプログラムです。3年間で7件のプロジェクトに関わり、4~7人のチームでプロジェクトに取り組みました。リーダーを務めたこともあり、声をかけられたら参加するというスタイルで活動を続けていました。社外の方と一緒に成果物をつくるという営みは新鮮で刺激的で、そこから新しい発見や気づきがあると感じ、継続につながったように思います。
最近では個人での対応を主とし、GRANTのKOBE プロボノ・コミュニティに関わる3件のプロジェクトに取り組みました。
プロボノとの出会いは、転職のタイミング(2018年)でした。有給消化で時間に余裕ができ、これまでの経験を生かして何か取り組んでみたいと考えたのがきっかけです。できれば自分の成長につながることをしたい、職場以外の人間関係を模索したい、そして地元の神戸で何かしたいという思いから調べたところ、プロボノに出会いました。
最初に参加したのは、兵庫県神戸市の「神戸ソーシャルブリッジ」でのチーム型のプログラムです。3年間で7件のプロジェクトに関わり、4~7人のチームでプロジェクトに取り組みました。リーダーを務めたこともあり、声をかけられたら参加するというスタイルで活動を続けていました。社外の方と一緒に成果物をつくるという営みは新鮮で刺激的で、そこから新しい発見や気づきがあると感じ、継続につながったように思います。
最近では個人での対応を主とし、GRANTのKOBE プロボノ・コミュニティに関わる3件のプロジェクトに取り組みました。
KOBEプロボノ・コミュニティで活動しています
神戸ソーシャルブリッジは2020年に終了しましたが、その後も「神戸でプロボノを続けたい」という思いを持つ人たちが集まり、活動を続けているのが「KOBEプロボノ・コミュニティ」※です。メンバーは社会人や企業勤務の方、公務員、フリーランス、NPO関係者など幅広く、現在は約10名が活動しています。
プロボノ活動のスタイルはチーム型から個人へと変わりました。個人で取り組むとなると、自分のスキルだけで応えなければならないため、責任の重さや「期待に応えられるか」という不安を感じたこともあります。ただ、実際にやってみると想像以上にスムーズに進み、結果としては良い形で取り組めました。振り返れば、不安はあったものの「やってみてよかった」という感触が強く残っています。
※ KOBEプロボノ・コミュニティはGRANTのコーディネーターとして活動しています(「KOBEプロボノ・コミュニティ」のGRANTインタビューはこちらからご覧いただけます)。
プロボノ活動のスタイルはチーム型から個人へと変わりました。個人で取り組むとなると、自分のスキルだけで応えなければならないため、責任の重さや「期待に応えられるか」という不安を感じたこともあります。ただ、実際にやってみると想像以上にスムーズに進み、結果としては良い形で取り組めました。振り返れば、不安はあったものの「やってみてよかった」という感触が強く残っています。
※ KOBEプロボノ・コミュニティはGRANTのコーディネーターとして活動しています(「KOBEプロボノ・コミュニティ」のGRANTインタビューはこちらからご覧いただけます)。
本業と重なったプロジェクト
GRANTで最初に取り組んだのは2024年です。NPO法人日本シニアデジタルサポート協会さんの「システム開発の基本的な流れのレクチャー」のプロジェクトでした。
このプロジェクトはKOBEプロボノ・コミュニティで団体との「壁打ちの機会」を持った中から生まれたものです。アイデアを形にするための基礎知識をインプットしてほしいという内容について、直接の依頼を受けて参加が決まりました。
内容はシステムのプログラム開発で、本業とは少し分野が異なりました。ただ、基本的な仕組みや考え方には共通点があり、強みや弱みを整理する観点ではこれまでの経験を生かすことができたと感じました。当初、団体から「AIでアバターを作りたい」といった壮大な構想を伺っていたので、自分の知識だけで対応できるか不安もありましたが、団体の方と話し合う中で現実的な方向へと整理することができました。
また、実際に運用していく際に生じるであろう課題についてはこれまでの経験からイメージできたことを率直にお伝えできました。団体の思いを尊重しつつ、現実的な視点で対話を重ねられたのは良かったと思います。
最終的には、システム開発の基礎知識をお伝えする形でプロジェクト終了となりました。自分の専門性を新しい形で役立てられた経験になったと思います。
支援募集記事:システム開発の基本的な流れのレクチャー
このプロジェクトはKOBEプロボノ・コミュニティで団体との「壁打ちの機会」を持った中から生まれたものです。アイデアを形にするための基礎知識をインプットしてほしいという内容について、直接の依頼を受けて参加が決まりました。
内容はシステムのプログラム開発で、本業とは少し分野が異なりました。ただ、基本的な仕組みや考え方には共通点があり、強みや弱みを整理する観点ではこれまでの経験を生かすことができたと感じました。当初、団体から「AIでアバターを作りたい」といった壮大な構想を伺っていたので、自分の知識だけで対応できるか不安もありましたが、団体の方と話し合う中で現実的な方向へと整理することができました。
また、実際に運用していく際に生じるであろう課題についてはこれまでの経験からイメージできたことを率直にお伝えできました。団体の思いを尊重しつつ、現実的な視点で対話を重ねられたのは良かったと思います。
最終的には、システム開発の基礎知識をお伝えする形でプロジェクト終了となりました。自分の専門性を新しい形で役立てられた経験になったと思います。
成果物
信頼を得て続けることになったプロジェクト
次に取り組んだのは、メイクユースマイル神戸さんの2つのプロジェクトです。一つのプロジェクトは個人として、もう一つは2人のチームで参加しました。
最初のプロジェクトは「Web/SNSなど発信チャンネルの整理」です。
きっかけは、KOBEプロボノ・コミュニティのメンバーから「こういうプロジェクトがあるが、やってみないか?」と声をかけてもらったことでした。自分のスキルでも対応できそうだと感じたこと、そして団体がもともと自分の住んでいた地域にあったことから支援したいと思いました。
団体の課題は、Webツールの活用やSNSの整理・運用方法についてのイメージが持てないというものでした。私は業務でWebに関しては一定の知見があり、SNSについては専門的ではありませんが、以前ブログを運営していた経験やマーケティングの基礎知識を応用できると考え、参加を決めました。
次のプロジェクトは同じ団体の「提案書作成のサポート」です。
最初のプロジェクト終了後に団体がKOBEプロボノ・コミュニティの「壁打ち会」に参加し、その後、イベントの営業資料作成を手伝ってほしいという依頼となりました。プロジェクトは3回のミーティングで完成させる形で進めました。
その営業資料がきっかけで地域との連携も生まれたと伺っています。KOBEプロボノ・コミュニティのメンバーに、神戸市の地域コーディネーターがいて、その方と情報を共有することで、資料を活用しながら地域の関係者を経由してイベントの情報を広めることに繋げられたと聞いています。単に資料を作るだけで終わらず、団体と地域がつながるきっかけにもなり、プロボノならではの経験として印象に残っています。
このプロジェクトを通じて、自分の経験を活かすことができ、かつ地域とのつながりを実感できる楽しさを改めて感じました。会社の業務だけでは気づけないことや、自分の価値に新しい余白や可能性が生まれる感覚を得られるのも、プロボノ活動ならではの魅力です。
最初のプロジェクトは「Web/SNSなど発信チャンネルの整理」です。
支援募集記事:Web/SNSなど発信チャンネルの整理
きっかけは、KOBEプロボノ・コミュニティのメンバーから「こういうプロジェクトがあるが、やってみないか?」と声をかけてもらったことでした。自分のスキルでも対応できそうだと感じたこと、そして団体がもともと自分の住んでいた地域にあったことから支援したいと思いました。
団体の課題は、Webツールの活用やSNSの整理・運用方法についてのイメージが持てないというものでした。私は業務でWebに関しては一定の知見があり、SNSについては専門的ではありませんが、以前ブログを運営していた経験やマーケティングの基礎知識を応用できると考え、参加を決めました。
成果物
次のプロジェクトは同じ団体の「提案書作成のサポート」です。
支援募集記事:提案書作成のサポート
最初のプロジェクト終了後に団体がKOBEプロボノ・コミュニティの「壁打ち会」に参加し、その後、イベントの営業資料作成を手伝ってほしいという依頼となりました。プロジェクトは3回のミーティングで完成させる形で進めました。
その営業資料がきっかけで地域との連携も生まれたと伺っています。KOBEプロボノ・コミュニティのメンバーに、神戸市の地域コーディネーターがいて、その方と情報を共有することで、資料を活用しながら地域の関係者を経由してイベントの情報を広めることに繋げられたと聞いています。単に資料を作るだけで終わらず、団体と地域がつながるきっかけにもなり、プロボノならではの経験として印象に残っています。
このプロジェクトを通じて、自分の経験を活かすことができ、かつ地域とのつながりを実感できる楽しさを改めて感じました。会社の業務だけでは気づけないことや、自分の価値に新しい余白や可能性が生まれる感覚を得られるのも、プロボノ活動ならではの魅力です。
プロボノに参加して良かったこと
参加して良かったことの一つは、地域とつながる方法が見つかったことです。特別なきっかけが無い限りは、地域のイベントに関わることはあっても、その場限りで終わってしまうことが多いと思います。プロボノを通じると、もう少し深く関わることができて、新しい自分の居場所や関われる場所が増えていく感覚があり、それがとても心地よく感じました。特に2つ目のプロジェクトでは、自分の経験を活かすことで団体にもメリットがあり、双方にとってプラスになったことが嬉しく、「やってよかった」と実感できました。
また、私はITが専門ですが、団体の中ではITツールを使うこと自体がハードルになっているケースもあります。自分にとっては簡単に試して改善できることでも、他の人にとっては難しい。そのギャップをどうかみ砕いて伝えるか、どうしたら使いやすくなるかを意識するようになり、それは本業にも活かせる視点になったと思います。
さらに、プロボノを通じて「自分の価値」にも気づきがありました。仕事の中では、どうしても視野が業務に限られてしまいます。地域とつながり、新しい場で活動することで、「社外でも自分のスキルを活かせる場がある」という発見がありました。その視点を持つことができるようになったのは、プロボノならではの大きな収穫だと思います。
また、私はITが専門ですが、団体の中ではITツールを使うこと自体がハードルになっているケースもあります。自分にとっては簡単に試して改善できることでも、他の人にとっては難しい。そのギャップをどうかみ砕いて伝えるか、どうしたら使いやすくなるかを意識するようになり、それは本業にも活かせる視点になったと思います。
さらに、プロボノを通じて「自分の価値」にも気づきがありました。仕事の中では、どうしても視野が業務に限られてしまいます。地域とつながり、新しい場で活動することで、「社外でも自分のスキルを活かせる場がある」という発見がありました。その視点を持つことができるようになったのは、プロボノならではの大きな収穫だと思います。
取り組みのコツとプロボノの楽しみ
また、活動を進める中で意識していたのは、自分のできる範囲に絞って取り組むことです。団体にはさまざまな課題がありますが、プロジェクトには期間が限られています。そのため、話し合いの中で着地点を考え、提案内容をその場でまとめるのが難しい場合は、後日調整するなど、無理なく進めることを心がけていました。
さらに、プロボノでは自分自身の変化も感じられます。会社だけでは気づけないことや、自分の気持ちの変化に気づけるのも楽しい点です。業務では、携わっているサービスのエンドユーザーが遠くにいることが多いですが、プロボノでは目の前の団体やその先にいる方に貢献できている実感が得られます。また、自分にとっての学びや貢献が、神戸という自分が大切にしている地域の目指す方向と重なることも、大きな魅力だと感じました。
さらに、プロボノでは自分自身の変化も感じられます。会社だけでは気づけないことや、自分の気持ちの変化に気づけるのも楽しい点です。業務では、携わっているサービスのエンドユーザーが遠くにいることが多いですが、プロボノでは目の前の団体やその先にいる方に貢献できている実感が得られます。また、自分にとっての学びや貢献が、神戸という自分が大切にしている地域の目指す方向と重なることも、大きな魅力だと感じました。
これからも神戸に貢献していきたい
私には、神戸や自分の地域に貢献したいという思いがあります。もともとIT業界を志したのも、周りの人がITを使って生活を少しでも豊かにできるようなことを実現したいという気持ちがあったからです。しばらく関東で勤務していた際に、地元を離れたことで改めて神戸の魅力を感じる機会があり、やはり神戸で活動したいという思いが強まりました。その中で、KOBEプロボノ・コミュニティは自分にとって非常にフィットする場所だと感じています。
今後は、神戸でプロボノに取り組む人がもっと増えてほしいと考えています。プロジェクトの成果や取り組み方をみんなで共有し合うことで、新しい発見や連携が生まれる場になればいいなと思っています。一方で、自分自身の今後の関わり方については、まだ明確に言葉にできる段階ではありません。ただ、当面は活動を続けていきたいという気持ちは変わりません。
2018年からプロボノ活動を続けていて、以前は副業として会社とは別の場所で活躍したいという人が多かった印象がありますが、最近は社会課題に向き合いながら取り組んでいる方が多いように感じます。自分自身はそこまで社会課題に強くコミットしているわけではありませんが、プロボノを通じて新しい発見や気づきを得られることを楽しみにしながら関わっています。
今後は、神戸でプロボノに取り組む人がもっと増えてほしいと考えています。プロジェクトの成果や取り組み方をみんなで共有し合うことで、新しい発見や連携が生まれる場になればいいなと思っています。一方で、自分自身の今後の関わり方については、まだ明確に言葉にできる段階ではありません。ただ、当面は活動を続けていきたいという気持ちは変わりません。
2018年からプロボノ活動を続けていて、以前は副業として会社とは別の場所で活躍したいという人が多かった印象がありますが、最近は社会課題に向き合いながら取り組んでいる方が多いように感じます。自分自身はそこまで社会課題に強くコミットしているわけではありませんが、プロボノを通じて新しい発見や気づきを得られることを楽しみにしながら関わっています。
GRANTのいいところ
GRANTの良いところの一つは、全国の募集記事が一覧で見られる点だと思っています。地域に限らず、全国でどのような課題があるのか気づくことができるのが面白いです。一覧を見ることで、「自分のスキルがあれば、こういうことにもチャレンジできるかもしれない」といった期待や、今後の自身の可能性を考えるきっかけになります。
また、プロジェクトの進捗に従って届くメール、例えば、ミーティングの前日に届くシステム発信のサポートメールも参考になっています。こうしたサポートがあることで、参加する方にとって安心して踏み込めるのではないかと思います。
※掲載内容は2025年9月取材時点のものです。
また、プロジェクトの進捗に従って届くメール、例えば、ミーティングの前日に届くシステム発信のサポートメールも参考になっています。こうしたサポートがあることで、参加する方にとって安心して踏み込めるのではないかと思います。