経験者インタビュー

プロボノワーカーから
「社会参加オープナー」へ
人をつなぐ役割から広がること

秋元真由美さん
社会参加オープナー養成プログラム 2期生
PROFILE
「社会参加オープナー」は、社会課題の解決に向けて日々活動する非営利団体とプロボノワーカーや地域のボランティアとの「つなぎ手」です。

今回「社会参加オープナー」認定となった秋元さんは、「ママボノ」プロジェクトへの参加からプロボノワーカーとしての活動がはじまりました。その後関わりのあった団体の支援を続けるなか、サービスグラントが実施する養成プログラムへの参加と実践を経て「社会参加オープナー」認定へいたります。

プロボノプロジェクトで関わった団体側のインターフェース役になって、新たなプロボノワーカーを受け入れ、力を引き出していく…秋元さんの事例から、ご自身の変化や団体・参加者双方に秋元さんがもたらした変化をお伝えします。

※写真は「ユースプロボノ」チームのみなさんと。中段中央が秋元さん。
●秋元さんの社会参加オープナープロフィール
プロボノワーカーから「社会参加オープナー」へ
普段は通信系の企業で事業企画の業務にたずさわっています。現在2人の未就学児を育児中で、最近育休から復職しました。

元々、ボランティア活動や子育て支援に関心がありましたが、なかなか行動に移すことができずにいたところ、育休中「ママボノ」と出会いました。ママ同士でチームなら楽しくできそう!とプロボノワーカーとして渋谷ファクトさんのプロジェクトチームに参加しました。

少し大げさかもしれませんが、プロボノの経験が自分の人生を少し豊かにしてくれたと感じています。
社会参加オープナーの講座に参加したのは2025年2月で、そこからプロボノワーカーとしてだけでなく、社会参加オープナーとしての活動も加わり、自身の幅が広がりました。

「原宿はらっぱファーム」との出会いと共感

「原宿はらっぱファーム」の概要

ママボノのプロジェクトを経験した後、育休中に引き続き何かプロボノにチャレンジしたいと探していたところ、ママボノ経由で「原宿はらっぱファーム」プロジェクトに出会いました。

2025年3月末から、ちょうど団体がクラウドファンディングを実施する時期に、インスタグラムの運用・投稿の支援ができる人を探されていて、プロボノとしてジョインしたのがきっかけです。

その後、今回社会参加オープナーとして2件伴走したプロジェクトが「原宿はらっぱファーム」の広報・発信体制を支えるプロジェクトです。

「原宿はらっぱファーム」は東京・原宿のど真ん中に、10年以上使われていなかった国有地1,500㎡(テニスコート7面分)に生まれた“都市型共創ファーム”です。畑やコンポスト、竹や木材など自然資材を使った空間づくりを通じて、都市と自然、人と土がつながり直す体験の場を育んできました。子どもから大人まで誰でも参加できる開かれた設計のもと、1年間限定の社会実験として運営され、東京における循環と共創の新たな可能性を体現する場となりました。(2026年1月に惜しまれつつクローズ)

このプロジェクトでは青山学院大学の学生と近隣のコーヒーチェーン店からコーヒー豆かすを回収、ファームへ運搬し、コンポストを活用して土に還す取り組みも行いました。空き地だった場所が緑豊かになり、人の交流が生まれる取り組みのひとつとなりました。

さらに、「原宿はらっぱファーム」プロジェクトは2025年10月に「渋谷ソーシャル・イノベーション・ウィーク2025」のグッドアクション部門でグランプリを受賞しました。取り組みの意義を改めて実感する機会になりました。
2件のプロジェクトを同時に立ち上げ&広報支援の輪を広げる

2つの立ち上げプロジェクト概要

今回は社会参加オープナー養成プログラムの受講内容を活かし、「原宿はらっぱファーム」の新たなプロボノワーカー募集のために2件のプロジェクトを立ち上げました。

●原宿はらっぱファーム「広報・PR活動(学生プロボノ)」プロジェクト
●原宿はらっぱファーム「インスタグラムでの情報発信」プロジェクト

1件目は、サービスグラントで実験的に実施している「ユースプロボノ」チームとして、青山学院大学の学生3名に参加いただいたプロジェクト。2件目は、社会人の個人プロボノの方に参加いただいたプロジェクトです。

どちらも広報支援が中心のプロジェクトでしたが、学生チームにはInstagramの企画・制作・運用支援、社会人の方には英語ネイティブという強みを活かしていただき、英語翻訳やSNS・広報物の支援を行っていただきました。

もともと広報として団体に関わっていた中で課題感は持っていましたが、改めて団体代表と「あるべき姿」やゴールを深く話し合えたことが大きかったです。代表の頭の中にあった構想を丁寧に言語化し、それをプロボノワーカーの募集記事へと具体化できたことは、大きな成果だったと感じています。

また、なるべく多くの方に募集内容に関心を持っていただくため、初心者でも参加しやすい表現を意識して、エントリーのハードルを下げる工夫をしました。
丁寧な伴走がカギ&学生チームからの新鮮な刺激
プロジェクト進行で特に印象的だったのは、学生と関わる新鮮さです。
学生は学びの目的もあり、社会人プロボノとは参加動機が少し異なります。そのぶん丁寧な伴走を心がけたいと思い、プロジェクト参加にあたってのマニュアルを整備して、進捗確認をこまめに行いました。

また、学生のスケジュール感は社会人と異なるため、Slackや定期ミーティングを併用して、コミュニケーションを密に取るようにしました。

学生チームからの自由な発想や制限のない提案は、団体にとって大きな刺激になるものでした。世代やバックグラウンドの異なる人が交わることで、コミュニティの厚みが増したと感じています。くわえて、広報チームに参加されていたデジタルマーケティングの現場で活躍中のプロの方と学生が交流できた点も、非常に価値があったと思います。
2つのプロジェクトを振り返って

プロジェクト完了時、学生プロボノ参加者からの声

社会参加オープナーとしてプロボノワーカーを募集する人材育成的な役割は初めてでしたが、自分自身の経験値も大きく上がりました。2つのプロジェクト伴走をとおして、さまざまな年代・背景の方と一つのゴールに向かって進む過程を楽しめたことが、何より良い経験でした。

原宿はらっぱファームは残念ながら2026年1月に当初の予定通りクローズしましたが、NPO法人 コンポスト東京として、活動は今後も続く予定です。このご縁を大切にしながら、今後も何らかの形で関わり続けられたらと思っています。
「社会参加オープナー」受講生の皆さんとのQ&A
Q:秋元さんは今回のプロジェクトの中で、ご自身の立場をプロジェクトマネジャーに近いものと捉えましたか?

A(秋元さん):最初プロジェクトマネジャーのような立場とは捉えていなかったのですが、進めていくうちに自然とそういう立ち位置になっていった、というのが正直なところです。伴走しながら自分自身もその役割に近づいていった、という感覚で進めていました。

ですが、プロボノワーカー側に入り込んでプロジェクトマネジメントするということではなく、団体との関わりが深まる中で、どちらかというと団体側の広報プロジェクトマネジャーのような立ち位置に近かったのではないかと感じています。

Q:学生の皆さんは本当に忙しく、ご一緒するには社会人よりスケジューリングが難しいと感じます。調整で大変だったことや工夫があれば教えてください。

A(秋元さん):おっしゃる通りで、学生さんは想像以上に忙しいです。今回参加された学生さんは特にサークル活動、他のボランティア活動など、非常に幅広く活動をされていて感心しました。それぞれの活動状況を踏まえながら、無理のない進行となるよう意識しました。

そのため、丁寧なコミュニケーションを重ねるとともに、事前にマニュアルを作成するなど、スムーズに取り組めるよう工夫しました。また、オンラインだけでなく、実際に現地ファームに足を運び、現場を体験してもらえたことも非常に良い効果があったと感じています。

今回参加された学生さんたちは、自分から手を挙げて参加されており、意欲がとても高かったのが印象的でした。スケジュール調整の難しさは確かにありましたが、忙しい中でも前向きに取り組んでくださり、企画提案の精度の高さにも驚かされました。私の学生時代には思いつかなかったようなアイデアを、しっかり形にして提案してくれていて、とても頼もしく感じました。


※掲載内容は、2025年12月20日に実施した「社会参加オープナー」受講生コミュニティ進捗共有・交流会での発表内容を編集しています。
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