2017年にチーム型プロボノを始めた川口さんは、やがて「一人で支援先と向き合いたい」との思いから、GRANTへと活動の軸を移しました。プロジェクト完了後も団体と継続的に関わり、確かな信頼関係を築いてきたといいます。中には、スタッフの一員として関わるようになった団体も。長年のシステム事業で培った知見を活かし、支援の枠を超えて歩みを共にする中で得られた手応えについて伺いました。
※川口さんのGRANT参加実績はこちらからご覧いただけます。
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2017年から続く、プロボノとの関わり
私は国内の電機メーカーに入社して以来、一貫してシステムエンジニアを担当してきました。2023年に定年を迎えた後も、再雇用という形で引き続き同じ会社に籍を置き、これまでの経験を活かしています。
趣味は、この10年ほど続けているバイクでのキャンプツーリングです。年齢を重ねるにつれ、一回一回の旅を「その場所との一度の出会い」として、いっそう大切に感じるようになりました。あえてアクセスが難しい半島や離島など、「もう訪れる機会がないかもしれない」と思える場所を巡ることが、今の私の楽しみです。
私のプロボノ活動の原点は2017年に遡ります。最初は宮城県石巻市のNPO団体の支援に、「チーム型プロボノ」として参加しました。その後もいくつかのチーム型プロジェクトを経験する中で、2023年から「今度は一人で支援先の団体と向き合いたい」という思いが強くなり、現在は「個人型支援のGRANT」へと活動の軸を移しつつあります。
趣味は、この10年ほど続けているバイクでのキャンプツーリングです。年齢を重ねるにつれ、一回一回の旅を「その場所との一度の出会い」として、いっそう大切に感じるようになりました。あえてアクセスが難しい半島や離島など、「もう訪れる機会がないかもしれない」と思える場所を巡ることが、今の私の楽しみです。
私のプロボノ活動の原点は2017年に遡ります。最初は宮城県石巻市のNPO団体の支援に、「チーム型プロボノ」として参加しました。その後もいくつかのチーム型プロジェクトを経験する中で、2023年から「今度は一人で支援先の団体と向き合いたい」という思いが強くなり、現在は「個人型支援のGRANT」へと活動の軸を移しつつあります。
チーム型から個人型へ
GRANTへ活動をシフトした背景には、大きく二つの理由があります。
一つは、自分が持つスキルに対する手応えです。プロジェクトの進め方が体得できたことで、「得意分野であれば、最初から最後まで一人で完結できるのではないか」という感覚が芽生えてきました。
もう一つは、チームの中での自分のあり方を意識するようになったことです。チーム型では私より若い世代の方が多く、メンバーが私に気を遣っているように感じる場面が増えました。「チームの負担になってはいけない」。それならば、一人で責任を持って団体と向き合うことも良いのかもしれないと思うようになりました。
とはいえ、最初から不安がなかったわけではありません。GRANTの仕組みは、創設された2020年頃から知っていて、すぐに登録も行いました。しかし、いざ募集記事を見ると「本当に一人でやり切れるのか」という不安の方が勝り、実際に手を挙げるまで1〜2年ほど躊躇していました。
そんな私の背中を押してくれたのは、当時一緒に活動していたチーム型プロボノのメンバーの方々でした。やりたいことに対して迷いなく、まっすぐに、前向きに挑戦していく彼らの姿を見ているうちに、「自分もまずは一歩を踏み出してみよう」という思いに変わったのが2023年のことです。
一つは、自分が持つスキルに対する手応えです。プロジェクトの進め方が体得できたことで、「得意分野であれば、最初から最後まで一人で完結できるのではないか」という感覚が芽生えてきました。
もう一つは、チームの中での自分のあり方を意識するようになったことです。チーム型では私より若い世代の方が多く、メンバーが私に気を遣っているように感じる場面が増えました。「チームの負担になってはいけない」。それならば、一人で責任を持って団体と向き合うことも良いのかもしれないと思うようになりました。
とはいえ、最初から不安がなかったわけではありません。GRANTの仕組みは、創設された2020年頃から知っていて、すぐに登録も行いました。しかし、いざ募集記事を見ると「本当に一人でやり切れるのか」という不安の方が勝り、実際に手を挙げるまで1〜2年ほど躊躇していました。
そんな私の背中を押してくれたのは、当時一緒に活動していたチーム型プロボノのメンバーの方々でした。やりたいことに対して迷いなく、まっすぐに、前向きに挑戦していく彼らの姿を見ているうちに、「自分もまずは一歩を踏み出してみよう」という思いに変わったのが2023年のことです。
「業務分析」と「マニュアル化」が強み
最初に参加したプロジェクトは、一般社団法人 日本和文化振興プロジェクトさんの「日本和文化振興プロジェクトの事務局運営のためのマニュアル作り」でした。
私がGRANTのプロジェクトを選ぶ基準は、「自分の得意なスキルで支援できるか」という一点に尽きます。具体的には、「業務分析」や「マニュアル作成」といった案件を中心に参加しています。
このスキルは、長年の会社業務で培ってきたものです。会社での業務では、顧客がシステムをどのように使用するかを整理する「運用設計」というプロセスがあります。顧客の要望・課題を紐解き、あるべき業務フローを設計し、誰にでも理解しやすいドキュメントに落とし込む。その実務経験が自分の強みと考えています。
チーム型プロボノに参加する中で、自分のスキルが通用するかを確かめられたこと、そしてスキルが実際に役立ったという支援先の反応を見れたことが、GRANTへ踏み出す一つのきっかけになりました。
GRANT活動を始めるにあたり、「何にお困りか」「どのようになりたいか」を最初にしっかり支援先からお聞きしたうえで、「どのような形式」で「誰がどのような場面で使う」マニュアルが必要なのかを確かめるようにしています。
そのうえで重要な起点となるのが、プロジェクト開始時に行う最初の打ち合わせ、いわゆる「キックオフミーティング」です。ここで具体的な支援活動内容を確認し、業務を可視化する「範囲」を徹底的にすり合わせます。あわせて、ヒアリングの回数や進行スケジュールを提示して合意形成を図り、この段階で成果物のイメージも共有します。最初に認識をそろえておくことで、支援先の要望と私の成果物とのズレが生まれないようにしています。
私のGRANT活動の山場はヒアリングです。毎回、密度の高い1時間を過ごせるよう事前に確認ポイントを整理したうえで開催します。1回1時間のセッションを3〜4回繰り返せば、かなりの範囲を聞き取れます。
日本和文化振興プロジェクトさんのプロジェクトでは、このヒアリングを経て、「日本和文化グランプリ」という一年にわたるイベント運営のための業務マニュアルを作成し、納品しました。
支援募集記事:事務局運営のためのマニュアル作り
私がGRANTのプロジェクトを選ぶ基準は、「自分の得意なスキルで支援できるか」という一点に尽きます。具体的には、「業務分析」や「マニュアル作成」といった案件を中心に参加しています。
このスキルは、長年の会社業務で培ってきたものです。会社での業務では、顧客がシステムをどのように使用するかを整理する「運用設計」というプロセスがあります。顧客の要望・課題を紐解き、あるべき業務フローを設計し、誰にでも理解しやすいドキュメントに落とし込む。その実務経験が自分の強みと考えています。
チーム型プロボノに参加する中で、自分のスキルが通用するかを確かめられたこと、そしてスキルが実際に役立ったという支援先の反応を見れたことが、GRANTへ踏み出す一つのきっかけになりました。
GRANT活動を始めるにあたり、「何にお困りか」「どのようになりたいか」を最初にしっかり支援先からお聞きしたうえで、「どのような形式」で「誰がどのような場面で使う」マニュアルが必要なのかを確かめるようにしています。
そのうえで重要な起点となるのが、プロジェクト開始時に行う最初の打ち合わせ、いわゆる「キックオフミーティング」です。ここで具体的な支援活動内容を確認し、業務を可視化する「範囲」を徹底的にすり合わせます。あわせて、ヒアリングの回数や進行スケジュールを提示して合意形成を図り、この段階で成果物のイメージも共有します。最初に認識をそろえておくことで、支援先の要望と私の成果物とのズレが生まれないようにしています。
活動の進め方(キックオフミーティング資料より)
私のGRANT活動の山場はヒアリングです。毎回、密度の高い1時間を過ごせるよう事前に確認ポイントを整理したうえで開催します。1回1時間のセッションを3〜4回繰り返せば、かなりの範囲を聞き取れます。
日本和文化振興プロジェクトさんのプロジェクトでは、このヒアリングを経て、「日本和文化グランプリ」という一年にわたるイベント運営のための業務マニュアルを作成し、納品しました。
単発支援から継続的な関わりへ
GRANT最初のプロジェクトが完了した後、支援先である日本和文化振興プロジェクトさんから「もう少し長いスパンで支援してほしい」というお誘いをいただきました。団体としてはバックオフィスを担う人材が十分ではなかったため、マニュアル化した業務以外の業務整理も希望されていました。
自分の得意な「業務の分析」や「マニュアル化」のスキルが求められたので、自分のスキルで対応できそうだと感じ、参画をお引き受けしました。
最初は経理業務フローの設計から始まりましたが、現在は有償ボランティアとして、イベントの現場運用設計や助成金の申請支援、ECサイトの要件整理と運用フロー設計、さらにはスタッフの採用活動まで、少しずつ守備範囲が広がっています。
最近では、チーム型プロボノで接点のあったメンバーにも声をかけ、ボランティア協力してもらい、プロボノ活動の幅を広げる取組みもしています。
自分の得意な「業務の分析」や「マニュアル化」のスキルが求められたので、自分のスキルで対応できそうだと感じ、参画をお引き受けしました。
最初は経理業務フローの設計から始まりましたが、現在は有償ボランティアとして、イベントの現場運用設計や助成金の申請支援、ECサイトの要件整理と運用フロー設計、さらにはスタッフの採用活動まで、少しずつ守備範囲が広がっています。
最近では、チーム型プロボノで接点のあったメンバーにも声をかけ、ボランティア協力してもらい、プロボノ活動の幅を広げる取組みもしています。
「出会い」は活動を続ける原動力
GRANTをやっていてよかったと感じるのは、これまで自分が知らなかった分野で、社会的課題の解決に本気で取り組む方々の思いに触れられることです。そうした方々と直接やり取りしながら伴走できるのは、GRANTならではの魅力だと思います。会社の仕事では出会えない人たちとつながれることが私のモチベーションになり、さらに「自分のスキルが役に立っている」という実感が、活動を続ける原動力になっています。
心に残っているのは、島根県邑智郡邑南町の「NPO法人たかはらんど」さんとの出会いです。プロジェクトのヒアリングの中で、団体が古い一軒家を改築して宿泊施設を開設するというお話を聞き、思わず「私が第1号の客になります」と宣言しました。実際にオープンした際はバイクで駆けつけ、第1号の宿泊客となり、地域の方々と夜遅くまで交流を楽しみました。こうした交流ができるのも、1対1で向き合うGRANTならではだと思っています。
私のプロボノ活動10年を振り返ると、決して順風満帆ではなく、時には「ほろ苦い」思いをしたプロジェクトもありました。しかし、回数を重ねるごとにプロボノの良さを理解し、今では少々のことがあっても楽しめるくらいの心の余裕ができました。プロボノという活動が、自分自身の人生を豊かにしてくれる大切なものであることを、回数を重ねる中で学ばせていただいています。
心に残っているのは、島根県邑智郡邑南町の「NPO法人たかはらんど」さんとの出会いです。プロジェクトのヒアリングの中で、団体が古い一軒家を改築して宿泊施設を開設するというお話を聞き、思わず「私が第1号の客になります」と宣言しました。実際にオープンした際はバイクで駆けつけ、第1号の宿泊客となり、地域の方々と夜遅くまで交流を楽しみました。こうした交流ができるのも、1対1で向き合うGRANTならではだと思っています。
私のプロボノ活動10年を振り返ると、決して順風満帆ではなく、時には「ほろ苦い」思いをしたプロジェクトもありました。しかし、回数を重ねるごとにプロボノの良さを理解し、今では少々のことがあっても楽しめるくらいの心の余裕ができました。プロボノという活動が、自分自身の人生を豊かにしてくれる大切なものであることを、回数を重ねる中で学ばせていただいています。
成功体験が、次の一歩を後押しする
GRANTの醍醐味は、団体さんとより深く接点を持ち、並走できることです。基本的には一人で団体さんと向き合いますが、それは1対1、あるいは「人間対人間」のような活動です。正面から支援先と向き合える濃密な関係性こそが、GRANTの素晴らしいところだと思います。
GRANTへの参加を検討されるワーカーさんには、大きく二つのタイプがあると考えています。
プロボノ活動自体が初めてで、チームで活動するのが不安だからGRANTにしようと考えている方は、ぜひ勇気を持って、まずは「できそうなテーマ」から手を挙げてみてください。事務局が事前に支援先団体の状況をしっかりと確認していますので、安心して飛び込んで大丈夫です。
また、チーム型の経験を重ね、「次は一人でやってみようかな」と考えている方は、チーム型で培ったプロジェクトの進め方がそのままGRANTでも通用します。想定通りに進まない場面があるかもしれませんが、チーム型の経験があれば乗り越える知恵が生まれるはずです。
チーム型でもGRANTでも、プロボノを長く続けていく秘訣があるとするなら、それは「成功体験」を積み重ねることだと思います。私自身、プロジェクトを終えたときに「楽しかった」と心から感じられる経験が、次の一歩を踏み出す原動力になってきました。そうした成功の積み重ねを通して、プロボノが日々の生活や人生に欠かせないものになっていく。回数を重ねるほどにその良さを実感できたことを、私はとても幸せに感じています。
GRANTへの参加を検討されるワーカーさんには、大きく二つのタイプがあると考えています。
プロボノ活動自体が初めてで、チームで活動するのが不安だからGRANTにしようと考えている方は、ぜひ勇気を持って、まずは「できそうなテーマ」から手を挙げてみてください。事務局が事前に支援先団体の状況をしっかりと確認していますので、安心して飛び込んで大丈夫です。
また、チーム型の経験を重ね、「次は一人でやってみようかな」と考えている方は、チーム型で培ったプロジェクトの進め方がそのままGRANTでも通用します。想定通りに進まない場面があるかもしれませんが、チーム型の経験があれば乗り越える知恵が生まれるはずです。
チーム型でもGRANTでも、プロボノを長く続けていく秘訣があるとするなら、それは「成功体験」を積み重ねることだと思います。私自身、プロジェクトを終えたときに「楽しかった」と心から感じられる経験が、次の一歩を踏み出す原動力になってきました。そうした成功の積み重ねを通して、プロボノが日々の生活や人生に欠かせないものになっていく。回数を重ねるほどにその良さを実感できたことを、私はとても幸せに感じています。